【女優】河合優実が覚醒？『あんのこと』で魅せた演技力とは！？

2024年に公開された映画『あんのこと』は、実在の事件をもとにした心揺さぶる社会派ヒューマンドラマ。主演は、今もっとも注目される若手女優の河合 優実 (かわい ゆうみ)さん。本作で、第48回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞し、実力派としての評価を一気に高めました。

河合さんはこれまで『PLAN 75』や『不適切にもほどがある！』など、まったく異なる世界観の中でも光る演技を見せてきましたが、本作では一段と深く「人間を生きる」ことに踏み込んでいます。

河合優実さんは、『演じる』ことを超えて誰かの人生を生き返らせる表現に挑みました。その演技のリアリティと誠実さは、多くの観客の感情を揺さぶり、観た後もふとした瞬間に思い出されるような作品となっています。

その圧倒的なリアリティと誠実な演技は、観る者の心を震わせ、社会に深い問いを投げかけているように感じられます。

🔍 この記事を読んでわかること

この記事では、河合優実がどのようにして超一流の女優へと飛躍したのかを、映画『あんのこと』を中心に紐解いていきたいと思います！

それでは、最後までお楽しみください♪

河合優実さんのプロフィール

河合優実さんが、本物の女優と称される理由とは！？

河合優実は『あんのこと』での熱演により、第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞しました。その演技力と存在感は、まさに今、日本で最も注目すべき若手女優という呼び声にふさわしいものです。

河合さんは演じるという枠を超えて、観る人の心にリアルな痛みや希望を伝える力を持つ女優へと成長。その一歩一歩が、日本映画界の未来を照らしているのではないでしょうか。

心を揺さぶる実話が土台にあるからこそ

映画『あんのこと』は、実際に2020年に日本で起きた出来事がベースとなった衝撃のヒューマンドラマです。薬物依存、虐待、売春、そしてコロナ禍による孤立と、今の社会が抱えるリアルな問題を真正面から描いています。

監督は、『22年目の告白―私が殺人犯です―』などで知られる入江 悠 (いりえ ゆう)さん。入江監督の骨太で真摯な演出と、河合優実さんの息をのむような演技が見事に融合し、観る人の心が大きく揺さぶられる映画となっています。

物語の原案は、2020年6月に新聞で報じられた、ある一人の若い女性の実話。家庭での虐待や薬物との闘いを乗り越え、介護職を目指していた彼女。けれども、コロナ禍で支援が断たれたことをきっかけに、人生を絶つという悲しい結末を迎えてしまいました。

そんな彼女の人生を「映画として再び生かしたい」。入江監督は、強い想いを込めて脚本を書き上げたそうです。

河合優実さんの真摯な役作りに迫る！？

河合優実さんが映画『あんのこと』で見せた演技は、まさに「魂で演じる」という言葉がぴったり。その圧倒的な存在感の裏には、丁寧で真摯な役作りの積み重ねがありました。

ここでは、河合さんがどのようにして杏という難役に向き合い、どう演じ抜いたのかをエピソードとともにご紹介していきます！

リアルを追求する覚悟

河合優実さんは、脚本を読んだ時点で「この人を守らなきゃ」と強く感じていたそう。 その思いから、撮影前に実在したモデルの女性について記者から直接話を聞くなど、役作りの準備を入念に行いました。

また、その女性は「照れ屋でニコニコしていた幼い女の子のようだった」という証言があり、河合さんはそのイメージを杏のキャラクターの核として大切にしていたそうです。

入江監督とのディスカッションでは、「芝居ではなく反応してほしい」という言葉があり、それが河合さんにとって演技観を再定義するきっかけになったと、後に河合さんは語っています。

役と共鳴する演技スタイル

通常はスタッフのみで行うカメラテストにも、河合さんは衣装やヘアメイクを整えて参加。その姿に監督が「このままでいける」と太鼓判を押したというエピソードも。

再現ではなく共鳴をテーマにしたリアルで誠実な演技は、まさに圧巻。 入江監督も「河合優実の身体性が杏を具体化した」と評価しています。

細部に宿る演技の本気

河合優実さんのこだわりは、リュックや服装といった小道具にまで及び、杏の幼さや社会経験の乏しさを視覚的に表現しています。

印象的な高架下のシーンでは、感情を共有するために共演者の佐藤二朗さんの手を握るという即興的なアプローチも。その行動には、相手の空気を読み取る力と、その場に自然に馴染む柔軟さがあり、シーン全体にリアルな温度感が、そこにはありました。

共演者との相乗効果

多々羅を演じた佐藤二朗さんと、桐野を演じた稲垣吾郎さん。彼らとの関係性が、杏というキャラクターの感情の揺れや成長をより立体的に際立たせています。

佐藤さんは台本にポイ捨ての位置まで細かくメモし、現場のムードメーカーとしても活躍。稲垣さんはあえてキャラクターづけを控え、観客と同じ目線で杏に寄り添う姿勢が印象的だったそうです。

実際、公開後のSNSやレビューサイトでは「河合優実の目線に泣いた」「現実を突きつけられたようだった」との声が相次ぎ、多くの観客にとって記憶に残る作品となっています。

メッセージを背負う覚悟

河合さんは「彼女の人生を生き返す」という覚悟のもと、演技を通じて無関心という社会問題にも挑みました。「社会に無関心ではいられない時代に、俳優ができることはある」と語っており、演じることで何を伝えるかに真摯に向き合う姿勢がにじみ出ています。

「声を上げられる人が関心を持たないと、世の中は変わらない」と語る姿が印象的でした。

舞台挨拶では、「舞台や映画を観て涙している時、自分の生命力を感じる」と語り、「心が動いた時に生きていると感じる」という稲垣吾郎さんの言葉に、深くうなずいていました。

まとめ

河合優実さんは、映画『あんのこと』で極めて難しい役柄を見事に演じ切り、第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。実在の女性の人生に真摯に寄り添い、演技を通して社会に深いメッセージを届けました。

河合さんの演技は、再現を超え、まるでその人物が目の前に存在するかのような圧倒的なリアリティを感じさせてくれます。観る人の心の奥に静かに残り、時間をかけて深く染みわたるような感動をもたらしました。

河合優実さんは今や、日本映画界の未来を背負って立つ存在として、これからも多くの人の心を動かしていくことでしょう！