「空気中にあるものを、どうやって捕まえることができるのだろう?」
「なぜ私たちは、目に見えない気体を制御できるようになったのか?」
そんな不思議な問いに、化学の力で答えようとしている研究者がいます。
その方こそ、2025年10月8日にノーベル化学賞を受賞し、いまニュースやメディアで大きく取り上げられている京都大学 高等研究院 特別教授の北川 進(きたがわ すすむ)先生です。
長年にわたり、目に見えない“空間”そのものを自在に操る研究に取り組み、ついに世界最高峰の科学賞を手にしました。
今回は、そんな北川先生の知られざる歩みや、未来を変える研究の秘密を、Wikipedia風プロフィール風にわかりやすくまとめていきたいと思います♪
ぜひ、最後までお楽しみください!
⭐ 北川 進 教授のプロフィール

- 氏名:北川 進(きたがわ すすむ)
- 生年月日:1951年7月4日
- 出身地:京都府 京都市
- 趣味:探偵小説やサスペンス映画が好き・歌舞伎鑑賞
- 学歴:
- 京都大学 工学部 卒業(1974年)
- 京都大学大学院 工学研究科 博士課程 修了(1979年)
- 所属:
- 京都大学 高等研究院 特別教授
- iCeMS(物質–細胞統合システム拠点)初代拠点長
- 教授就任歴:1998年より京都大学 教授として着任
- 専門領域:
- 無機化学、錯体化学、多孔性材料化学
- 金属–有機構造体(MOF)および多孔性配位高分子(PCP)分野の世界的先駆者
👤 北川 進 教授の特徴とは?
…といっても、空気そのものに穴があいているわけではありません。
北川先生が開発した「MOF(モフ)」という特別な素材。これには、目には見えないほど小さな“すきま”がたくさん空いていて、不思議な構造をもっています。
まるでスポンジのように、空気にふくまれる小さな成分(たとえば二酸化炭素や水分など)を選んで吸い取ったり、貯めたりすることが可能。
さらにすごいのは、まわりの温度や湿度によって自分の“すきま”の広さを変えるという性質。
たとえば、暑い日は半袖、寒い日は上着を着るように、この素材も環境にあわせて「すきまの大きさ」を調整しています。
そんな“動く素材”というユニークなアイデアが、世界中の研究者を驚かせました!
🧪 北川 進 教授の研究とは?ノーベル賞を受賞した理由は?
北川進先生が、ノーベル化学賞を受賞した理由は、先ほどご紹介した「MOF(モフ)」という素材の開発と、それによる未来への貢献が高く評価されたからだと言えます。
このMOFは、小さなすきまを持ち、その中に空気中のガスや水分、特定の化学物質を取り込んで調整できる、まるで“考えて動くスポンジ”のような素材なんです。
では、これがどんなことに役立つのでしょうか?
たとえば、
- 地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO₂)を集めて減少させる
- 空気から水分を取り出して、水を作る
- 有害なガスを吸い取ってキレイにする
- 薬を体内の必要な場所にだけ届けたり、体の中の“におい”や“病気のサイン”をキャッチできるかもしれない
つまり、
📖 北川 進 教授の知られざるエピソードとは?
🧠 空気の“すきま”に注目した日本発の着想
北川先生が注目したのは、目に見えない“すきま”=空間でした。
通常の化学は、物質そのものの性質に注目しますが、先生は「すきまを設計することで、まったく新しい機能が生まれるのではないか?」と考えました。
この独自の視点から生まれたのが、「MOF(モフ)」という、無数の小さな穴を持つ新素材なんだそう。
まだこの分野が世界的に発展していなかった1990年代から、日本でいち早く研究に取り組み、世界の注目を集める存在となりました。
いまでは、この「空間の化学」という考え方は、材料科学の重要な柱のひとつとされています。
🎙️ わかりやすく伝える“解説もできる科学者”
北川先生は、難しい研究内容を専門外の人にも、わかりやすく伝えようとする姿勢でも知られています。
iCeMS(2007年に京都大学で設立された最先端研究拠点) や学会の講演、インタビューなどでは、素材の面白さや「空間の化学」がもたらす可能性を、言葉を選んで説明する様子が見られます。
専門用語に頼らずに伝える姿勢は、多くの学生や若手研究者からも「話がわかりやすい」と評判なんだとか。
🌍 世界に認められた“空間の開拓者”
北川先生の研究は、日本だけでなく海外でも高く評価されています。
これまでに、ソルベイ未来化学賞(ベルギー)、米国化学会賞、英国王立協会フェローなど、数々の国際的な賞を受賞してきました。
そして2025年10月、ついにノーベル化学賞を受賞。
MOFという素材を通して、「目に見えない空間に価値を見出す」という新しい発想が、世界最高の科学賞によって認められた瞬間でした。
🏫 北川 進 教授の経歴とは?
- 1974年:京都大学 工学部 卒業
- 1976年:京都大学大学院 工学研究科 修士課程 修了
- 1979年:工学博士号(京都大学)取得
- 1980年代:近畿大学、東京都立大学(現:東京都立大学)などで研究・教育に従事
- 1998年:京都大学 教授に就任
- 2007年:京都大学 高等研究院 iCeMS(物質–細胞統合システム拠点)を創設し、初代拠点長に就任
- 現在:京都大学 高等研究院 特別教授として活動中
🏅 北川 進 教授の主な受賞歴とは?
- 2009年『日本化学会賞』:日本国内の化学分野で最も権威ある賞のひとつ。MOF研究の先駆的業績が評価されました。
- 2010年『トムソン・ロイター引用栄誉賞(現クラリベイト)』:「将来ノーベル賞に最も近い研究者」として世界的に注目されました。
- 2011年『紫綬褒章』:学術・文化分野で優れた功績を残した人物に贈られる日本の国家褒章。
- 2016年『日本学士院賞』:学術上の卓越した研究業績を顕彰する日本最高レベルの学術賞。
- 2017年『ソルベイ未来化学賞』(ベルギー):革新的な化学研究に贈られる国際賞。MOF研究の世界的評価が反映されました。
- 2025年『ノーベル化学賞』:金属–有機構造体(MOF)の開発と応用研究が評価され、ついに世界最高峰の賞を受賞。
🌈 さいごに
北川進せんの研究は、「空気をつかまえる」から「未来をつくる」へと発展してきました。
目に見えない“すきま”を自在に操り、空間そのものをデザインするという発想で、化学の世界にまったく新しい道を切り拓いてきました。
その成果は、地球温暖化の防止、水の確保、医療技術の進化など、私たちの暮らしや地球の未来に深く関わる可能性を秘めています。
「見えないものの中に価値を見出す」
そんな北川先生の研究は、現代の錬金術なのかもしれません!
そして、まだこの物語は終わっていません。
MOFという素材を通して、科学がどこまで世界を変えられるのか。
その答えを探す旅は、これからも続いていきます!